【空き家バンクの住宅購入】中古物件の確認すべきことと申請手続き

空き家イメージ

今年の2月に家を購入することを決めてかれこれ半年以上が経ってしまいましたが…
やっと…やっと!
移住先の家を購入しました!

いやぁ長かった…
本当にいろいろありました…
家の購入ってこんなに大変なのか…と心が折れかけたこともありましたが、先日売買契約が完了して家の鍵や諸々の書類を受け取ってきました。

移住先の物件購入にあたってぼくらが経験した「購入の際につまづいた事」「確認しておいた方がいいこと」「時間がかかったこと」etc…
事前に調べていた事以外にもいろいろと出てきたので、備忘録として記事にしようと思います。
これから地方移住を考えている人、空き家購入を検討している人にはきっと役に立つはずなので、ぜひ最後まで読んでいってください!

空き家バンクからの物件購入

今回、ぼくらが物件購入に利用したサービスは地方の各自治体が運営をしている「空き家バンク」を通して物件を購入しました。
空き家バンクに関する記事は以前、記事にしていますので、そちらをご参照ください。

通常の物件購入とはすこし違う「空き家バンク」

通常物件購入をする際は、各エリアの不動産屋さんが管理している物件を不動産屋さんが仲介に入ってくれて売買契約を行う形が一般的です。
ところが、「空き家バンク」というサービスは、各自治体が物件の登録、管理を行ってくれてはいますが、物件購入やその他諸々の契約などは、不動産屋さんとは違い「家主さん(個人)対購入者(個人)」で進める必要があります。

ここが、通常の物件購入とは大きく違うところです。
個人と個人のやりとりでの購入になるので、普通であれば不動産屋さんが仲介に入ることで発生する仲介料などは発生せずに、場合によっては安価で空き家を購入することが可能な移住者にとってはとてもありがたい制度です。

最近はこの空き家バンクを使って空き家を購入している人も多いと思いますが、いくつか気をつけないといけないポイントがあります。
安価でいい物件が見つかったからといって、バタバタと事を進めてしまったことで後々めんどくさいことになったりもするので、空き家バンクで家を購入する際はひとつずつしっかりと確認しながら進めることをオススメします。

目に見えない不具合箇所に気づきにくい

トイレイメージ

まず第一に物件に関しての事です。
空き家バンクに登録されている物件は各自治体の方が登録や管理をしてくれています。
当然自治体の方は、不動産屋さんなどと違い、建物のプロではないので、物件に関する詳しい情報や経年劣化による補修箇所の状態などが、内覧時点では詳しくわかっていないことがあります。

ぼくらは自治体の方にリフォーム業者さんを紹介してもらい、内覧時に業者さんにも立ち会ってもらって、床下や天井など、一般の人にはわからないような箇所も一緒に確認していただきながら、内覧を安心して進めることができたので、見てみたい物件の申し込みをする際に、現状把握をどうしたらいいかの相談をしてみてください。なにかしら相談に乗ってくれるはずです。

売買契約やリフォームなどの段取りは自分でする必要がある

上述したとおり空き家バンクでの物件購入は、「家主さん(個人)対購入者(個人)」でのやりとりになります。
不動産屋さんが仲介に入っているわけではないので、物件購入に関するもろもろの事はすべて自分で進めないといけません。

スーパーやお店で物を買うのとは違い、物件購入はいろいろな調査や契約などいくつもの手順を踏む必要があります。大体の人は空き家や物件を購入することが初めての人が多いと思うので、この物件購入の諸々のやりとりを自分で進めるということが、空き家バンクを使って家を購入する際の一番最初のハードルかなぁと思います。

でも安心してください!
個人間での物件購入ではありますが、空き家バンクの担当の方が、物件が決まったからあとは放置…なんてことはありませんでした。(他の地域の空き家バンクのことは残念ながらわかりませんが)
購入するにあたって諸々の契約や進め方など、空き家バンクの担当の方に相談しながら進められたので、割とスムーズに契約を終えることができました。

もちろん、実際のやりとりは直接家主さんと連絡をとりながら進めていったので、個人間での契約ということにかわりはありませんが、きちんと物件購入ができるように、空き家バンクの方がしっかりとサポートしてくれるのでわからないことは担当の方に聞きながら進めることで、個人間でも安心して購入まで進めることができると思います。

ちなみにぼくらの場合は、全部自分たちで進めることに不安があったので、空き家バンクの担当さんにご紹介いただいた不動産屋さんに仲介をお願いしました。
もちろん手数料はかかってしまいますが、契約を終えた今、全部自分でこの一連の流れをしなきゃいけなかった事を考えると、仲介業者さんに間に入ってもらったことは結果的にすごくよかったと思います。
実際、この契約部分を個人でやった場合、書類や土地の調査不備や確認不足などでトラブルになることがすごく多いと不動産屋さんがおっしゃっていました。
詳しくは後述します。

ただでさえ移住は環境の変化が大きいので、せっかくの新天地での生活がトラブルでのスタートになってしまったらせっかくの移住も新しい生活に集中できないということになりかねません…
個人的には、契約関連はプロにお任せして新しい生活に向けて自分たちがやれることに120%力を注ぐのがいいと思います。

空き家売買契約の落とし穴

売買契約

物件が決まったらいよいよ家主さんとの売買契約です。
ぼくらはこの売買契約を空き家バンクの方にご紹介いただいた不動産屋さんに仲介をお願いして、契約を進めました。この段階で、空き家ならではの契約に関する思いもよらない落とし穴がありました。

結果的には仲介をお願いして大正解でしたし、この問題を個人で解決するとなるともしかしたら売買契約自体まだ終わっていなかった可能性があるので、仲介をお願いしてほんとによかったです。

空き家の所有者は事前に確認を!

空き家バンクに登録されている物件は、以前は家主さんの親御さんやご兄弟が住まれていて諸事情で住む人がいなくなって空き家になっているパターンが多いようです。
今回購入した物件も、元々は家主さんのお父さんが住んでいた家だそうで、現在は家主さんが管理をされていました。

いざ購入がきまり、売買契約を残すのみとなった段階で、思わぬ落とし穴がありました。
それは以下の2点です。


  • 土地、建物の所有者名義
  • 購入する土地の抵当権

これは個人で管理している物件にあるあるな内容で、簡単にいうと、所有権もろもろの名義が家主さんの親御さん、あるいは親族の方のまま変更されていないということだそうです。
不動産屋さんが管理する場合は事前に名義などの調査をして変更しておくそうなのですが、個人の場合は名義変更などもろもろの処理にはそこそこお金がかかるのもあって、変更されていないままになっていることも多いそうです。

次に、抵当権についてです。
抵当権とは、

抵当権とは、住宅ローンなどでお金を借りた人(債務者)が返済できなくなった場合(債務不履行)に、債権者が担保とした土地や建物をもって弁済を受ける権利のこと。

不動産・住宅サイト SUUMOより引用

ぼくらの場合、上記2点が変更・抹消されておらず、売買契約を不動産屋さんにお願いした時に、不動産屋さんの調査で発覚し、こちらの処理を不動産屋さんに紹介していただいた司法書士さんにもろもろの変更処理をしていただくことにしました。
この諸々の変更処理が約3週間くらいかかってしまったので、早めの段階で確認することをオススメします。
ここをないがしろにしてしまうと後々大きなトラブルに発展してしまうことになります…
名義変更には費用もかかるので、トラブル防止のためにも早い段階で家主さんに確認してもらった方がいいですね。

仲介業者さんに支払う仲介料について

物件購入をする際、多くの場合は不動産屋さんが間に入って売買契約を行うのがほとんどだと思います。
その場合、不動産屋さんに支払う仲介料は、基本的に売主(家主さん)が負担するそうなのですが、空き家バンクで購入する場合は、原則個人での売買にあたるため、仲介料は売主、買い主が相談してどちらが支払うか、また支払いの割合を相談して決めないといけないようです。(※仲介料金は物件の値段によって決まります。)

ぼくらの場合は、普段から家主さんと頻繁に連絡を取り合う良好な関係が築けていたので、相談して仲介料の割合を決めてお互いに支払いをしました。
この仲介料の支払いに関しては、不動産屋さんが間に入ってどちらが支払うかや割合のすり合わせ等をしてくれるのですが、ぼくらは特に必要なくスムーズに進めることができましたが、内容によってはトラブルの種になるかもしれないと感じた部分なので、自分だけの都合で必要以上にわがままな条件を要求することなくお互いに気持ちよく売買ができるように交渉した方がいいでしょう。

個人で取引を完結する場合は慎重に…

空き家バンクの場合、基本的に契約もろもろに関しては、原則個人間での売買になります。
その分、もちろん物件はリーズナブルに購入できますが、売買契約や土地の名義、権利関係などを全部自分で調べて進めなければいけないとなると、かなり大変です。

中にはコストを抑えるために、申請や契約も個人で進める方もいると思いますが、その際は一つ一つ慎重に確認しながら進める形をとることをオススメします。
正直なところ、ぼくはこの一連の流れをすべて自分で完結させることはできなかったなぁと感じているので、多少費用がかかったとしても不動産屋さんにお願いしてほんとによかったと思います。
費用自体も家を買うことに比べれば許容範囲内で充分収まる範囲だったので、あとあとトラブルになった時のことを考えれば任せる部分はプロにお任せすることも充実した移住生活を送るためには必要かもしれません。

物件購入の申請から契約完了までにかかった時間

購入した我が家

今回、物件を決めてからリフォーム業者さんの選定や、打合せも並行して進めていたので、トータルでみるとかなり時間がかかりました(リフォームについてはかなり大変でした…また別の記事で書きます。)が、物件購入に限っていうとかなりスムーズに進んだと思います。

物件購入を申請したのが9月の始め、売買契約が完了したのが10月の始めでした。
期間にすると約1ヶ月で空き家の売買が完了しました。
内訳は、不動産屋さんに依頼、確認事項や土地、建物の調査等で約1週間
建物の名義変更や抵当権の処理など諸々の手続きで約3週間かかりました。
名義変更などのイレギュラーがなければだいたい1週間くらいで契約完了までいけたので、割とスムーズに進んだんじゃないかなぁという感じです。

ぼくらは空き家バンクから購入→不動産屋さんに売買契約の仲介を依頼という形をとり、こちら側でなにかを調べたり確認したりするという作業がほぼなかったので、終わってみればあっという間でした。
これから移住に向けて空き家購入を考えている方は不動産屋さんに仲介をお願いすることでスムーズに物件購入ができると思うので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事を書いた人

Takashi

山口県下関市出身。
フリーランスのデザイナーとして活動しています。
写真を撮るのが好きです。
2022年3月に山口市に移住してきました。
移住に関することや自分たちのライフスタイルなどを備忘録として残していきたいと思います。