理想の家に出会うまでを順番に綴ってきましたが、理想の家にどうやって出会ったのか、決め手はなんだったのか?
わたしたちの体験談をもとにご紹介します。
お試し暮らしを終えて急加速した空き家探し
お試し暮らしを通して自分たちが山口で暮らすイメージができ、エリアを決めるところまでは前進したわたしたち。
エリアが決まればかなり条件を絞って家を探すことができるので、年明けからの家探しはとてもスムーズだった気がします。
お試し暮らしをして意志が固まったことで具体的なイメージが湧いたし、夫もわたしも本気度が増していました。笑
地域交流センターの方にも積極的に相談して、空き家バンクにはまだ登録されていない物件を優先的に紹介してもらったり、より細かい希望条件なども聞いてもらったり、ネットで物件を探していた頃に比べると格段に移住計画が現実味を帯びてきました。
「一度見に行ってみよう」が思わぬ展開に
空き家バンクを改めてチェックしてみて少しでも気になった物件や、希望条件をもとに紹介していただいた物件をいくつか見学することになり、再び山口市を訪れることに。
しかし、見学した空き家は、3世帯で暮らしても持て余してしまいそうな部屋数の家や、管理仕切れないほど広い農地がついてくる家…
「やっぱりなかなか見つからないなぁ」と思いつつ、次の空き家見学に向かったのですが、到着してまもなく「おぉー!」と夫と顔を見合わせることになりました。
そこは空き家バンクのサイト上で「子育て世帯向け」と表記されていた物件。
学校や幼稚園が比較的近く、地域の中でもアクセスがいい立地でした。
母屋の間取りもちょうどいい広さ、さらに広い庭と大きな鉄骨倉庫付きの平屋です。
元々畑として使っていたお庭は母屋より随分広く日当たり抜群、家庭菜園にはうってつけ。
自宅で仕事をする夫にとって、鉄骨倉庫はガレージオフィスとして使うのにぴったりです。
そして広々とした庭を眺める、憧れの縁側がある!笑
母屋の中に入ってみると、空き家特有のジメッとした空気やにおいがなく、窓からしっかり光が入っていて、床も靴下で歩けるほどきれいに掃除されていました。
(今まで見学してきた空き家は虫や埃がすごいところが多かったので…)
家の中は広すぎず狭すぎず、具体的な生活のイメージができてしっくりきました。
家探しを始めた頃は「田舎暮らしといえば広い家でしょ!」と思っていましたが、実際に見学してみると「広すぎると自分たちでは管理しきれないな」と思うようになり、いろいろと目が届くちょうどいいサイズを探していたのです。
また、この物件は売主さんが見学に立ち合い、いろいろ説明をしてくださったので、前の住人がどんなふうに住まわれていたのかもよくわかって安心できたのもよかったです。
こうして、その日の帰りの車で「決まりやね!」と即決断に至ったのでした。
「この家にしよう」と決めた最も大きな理由
突如訪れた新居との出会い。
購入を決めるにあたって、間取りや立地条件はもちろんですが、自分たちも想像していなかった大きな理由があります。
それは、実際に現地に足を運んでみて初めて、この家が今までとても大切にされてきたことがよくわかったからです。
庭の草刈りや傷んだ小屋の撤去、空気の入れ替えや掃き掃除…
すべて売主さんが日々コツコツと手入れをされていて、「汚い」という印象がまったくと言っていいほどなかったのです。
わたしたちは半年以上かけて十数件の空き家を見てきましたが、こんなに丁寧に扱われている家は初めてでした。
購入が決まってから契約に至るまでのあいだに、全国的に台風や大雨があったときも、売主さんが家の様子を見に行ってくださっていて「特に被害はなかったよ!」と連絡をいただき、「わざわざ見に行ってくれたんだ」と少しびっくりしたほどです。
初めてといえば、売主さんの立ち合いがあった空き家は他にひとつもありません。
見学当日もわたしたちが到着する前に空気の入れ替えなど準備をしてくださっていて、この家が建った時の話や家族が暮らしていた頃の話も聞かせていただきました。
空き家探しをされている方の中には、そういうやりとりはしたくないという方もいるかもしれませんが、わたしたちは売主さんと直接お話できて本当によかったと思っています。
家を建ててから空き家になるまでの経緯やご近所さんとのお話を直接聞くことで、この場所で暮らすイメージがより鮮明に思い描けたし、何よりこの家を本当に大切にされてきたことが強く伝わってきたからです。
築50年以上の家なので老朽化している部分は直す必要があるし、もちろんわたしたちのライフスタイルに合わせて間取りや水回りなど手を加える部分もあります。
ただ、売主さんやそのご家族がずっと大切にされてきた家の面影も残せたらいいなぁと思っています。
これからのわたしたちの大切な家づくり、とても楽しみです!